都内の注文住宅事情

郊外や他府県に比べ、首都圏の建物は中高層の建築が多いように思います。

一般的には、戸建といえば2階建てをイメージされる方が多いでしょう。
最近では、平屋もトレンドとして見受けられるケースが多々あります。

個人的には平屋が最高の贅沢と思います。
今まで数件お手伝いさせていただきましたが、
どの施主様もゆったりと過ごせる建物とし、ワンフロアで行き来でき、
軒を深く出し日差しを制限し、風の抜けも建物のゆとりなのか優雅です。

東京で勤務していますが、逆に平屋に携わった営業も少ないので、
都内では自慢できる内容ですね笑

首都圏の戸建は郊外や他府県と同じようには行きません。
住んでいる人口が多いせいか、土地も狭くなります。
価格も場所次第では目が飛び出る価格もあります。

都市計画では、高差のある建物を建築しても良い計画としてあり
3階建てや4階建ても用途地域によっては問題ありません。

そのような用途地域の場合、
建ぺい率や容積率の割合が高く高い建物が作りやすいです。
土地が大きくなく面積を十分取れないので、上に伸ばそうという発想です。

どのお宅も上へ上へ伸ばすと、上階には日が十分に入りますが、
1階には日当たりが悪い条件となってしまいます。

そこで、日当たりをよくすべく、
北側斜線制限・道路斜線制限という
見えない斜線制限を法律が設けられました。
斜線制限の範囲内で計画しなさいという条件です。

この斜線制限が結構厄介モノです。

北側斜線制限は
南の方角に日当たりをよくするために、
道路斜線制限は
道路側の日当たりをよくするためにあります。

一般の方は耳にすることも少ないでしょうが、
私たちは常に斜線制限との格闘が待っています。

ちなみにこの斜線制限は、斜線の外側に建物を建築することを許されていないので、
一番先にクリアする必要があります。

具体的には、屋根の一部分を低くしたり勾配をつけたりして
当たらないようにしていきます。

これは、3階建てや4階建てに限らず、
都内は2階建てにも影響してくる厄介モノです。

ただでさえ敷地条件が厳しい中で、追加の制限も厳しいので
押さえておくべきポイントとなるのです。

これも、敷地の性格と表現すればいいでしょうか。
短所を補い、長所を伸ばす!
決して首都圏の土地は短所ばかりでないのです。

周辺の建物の状況に合わせ、
緑を感じるようにしたり
光が降り注ぐ工夫をしたり
外からの視線を気にせず暮らせるような建物にしたり
などなど、

注文住宅ならではの作りがそこにはあります。
なかなか建売住宅では体現できない内容です。
長所の伸ばし方のバリエーション数が違います。

お隣の建物が近いと、
こちらのプライバシーとあちらのプライバシーが
干渉しないような対策も大事なことです。
これからながーいお付き合いなりますので、
計画当初からの配慮は忘れてはならないことです。
お互いの譲り合いの精神ですね!

ここまで色々ご説明しましたが、
こんな法規制があるんだな程度に覚えておいてください。
実際は、担当スタッフがしっかりと配慮してプランニングしますので!

住まいづくりをご検討の方には、
どのような住まいが良いのか、どのように暮らしたいのかを
お考えいただきたいのです。

表現は悪いかも知れませんが、プランはこちら側が考えます。
しかし、どのように住んでいたのかヒアリングをしても
本当の奥底までは知ることはできません。

家族が、ご夫婦が楽しく暮らすシーンをより深くお考えいただきたいのです。