侮るなかれ!高低差の話

家づくりにおいて、
どんな間取りになるか
楽しみに待っている方が多いでしょう。

作る側においては
間取りも大切ですが、
その土地と接している
道路・周辺の敷地や建物の環境は
間取りをも左右し、
外構計画にも大きく影響をもたらします。

どのくらいの差があるのか

どこかを基準に高いや低いを判断しますが、
前面道路にマンホールがあれば
そこを±0の基準点とします。

そうすると、
道路も全てが平坦というわけではないので、
北に向かって高くなっていたり
低くなっていたりするわけです。

雨が降っている日は
水がどちらかに流れていっていると
思いますが、
何気ない生活の日常では
そんなの影響があまりにも少ないので、
気にしている人は少ないでしょう。

しかし、玄関へのアプローチや
お庭のどこかにいつも水溜りができやすい
ポイントがあると、
そこは気になっているので
見つけやすいポイントとなるわけです。

そのようなポイントは、
周りと比べ、低くなっているケースが
ほとんどで水が溜まるように
なってしまっているのです。

建築はミリ単位で作図します

図面に落ちている表記の単位はミリです。
センチも使うことが少ないのに、ミリかよ!
という声が聞こえてきそうですが、
ミリでなければ水溜りも把握できないのです。

一見平らに見える敷地でも
実は若干の高低差がありわけです。

見た目から高さがある場合

それが何センチほどの差があるのか
これが大切になってきます。

前面道路から敷地内に入り、
玄関ドアにたどり着くとき
一体何段分のステップが必要となるのか。
住む方によっては、
スロープを希望されている方も
いらっしゃいます。
補助がついてのスロープか
補助なしの場合のスロープかによっても
勾配が異なり、
必要な長さが変わってくるのです。

また、リビングから外を見た時と
道路から建物の中を見られているのでは?
と感じるのも、
高さが違えばその感じ方は変わるのです。

高さの具体例

例えば、
道路よりも敷地が60センチ高いと
想定します。
60センチ高いってそこそこ高さがあることはご想像がつくと思います。
ダイニングのチェアーの座面は
約40センチなので、
それ以上あるわけです。

道路からの視線が気になるので、
フェンスの高さを日本人の平均身長に近い
170センチとしたと仮定します。
道路から見れば、170センチのフェンスも
敷地内にから見た場合、
もともと60センチの高さがあった
わけなので、既に90センチとなります。
これ、意外と低い感覚と思います。

そして、敷地に立ったところから玄関を入り
リビングへ行った際、
フローリングのレベルが
約50センチUPしますので、
(建築会社によって高さに違いがあります)
建物の内部から見るとフェンスの高さは、
40センチとなるわけです。

そう、建物の中から見ると
ダイニングのチェアーの座面ほどの
高さしかフェンスは存在していないのです。

40センチだと家の中が丸見えじゃないか!
というご意見が聞けそうですが、
道路から見ると170センチもあるのです。

お分かりいただけましたか?
侮るなかれでしょう笑
リビングで過ごす際、
もう少し落ち着いて過ごしたいなら、
170センチよりも高い
高さ設定のフェンスが必要となるのです。

逆にリビングから見たときは
1メーターほど欲しいなとなった時、
道路からは2メーター10センチが
必要になるので、
そうすると要塞のような壁で囲われた建物に
道路からは見えるということになります。

間取りも大切ですが、
外構計画やアプローチの大切さが
ご理解いただけたと思います。
ですので、
高低差を知る=敷地を知る
ということは家づくりにおいて
初めの第一歩ということになります。

洋服を買いに行くのも
サイズを知ってから購入しなければ、
ピチピチのパツパツTシャツを
着る羽目になるのはゴメンです。

今回は少々面倒な事例ですが、
細かいポイントまで押さえているか
ここが大切になるわけです。